C値について

そうなのかエア断

C値に関する報告です。

C値とは?
C値とは、住宅における相当隙間面積のことです。建物全体にある隙間面積(cm2)を延床面積(m2)で割った数値で、建物の気密性能の指標として用いられています。
C値の測定は、実際に建てられた建物内で、専門の気密測定試験機を使って行います。数値が小さいほど優れた気密性をもつ建物といえます。

「C値0.1でも寒い理由」
「対流型ストーブが寒い理由」

これは、暖房時の空気の膨張が関係していると考えています。理由を、憶測も含めて解説します。
C値測定は、専用の機械で測定しています。最大70ヘクトパスカルの力をかけて、測定するのがC値です。ヘクトパスカルと言うと、分かりにくいかもしれませんが、70のパワーで圧力をかけていると考えてください。

暖房器具別 底冷えの原因

まず最初にエアコン暖房時の、空気の膨張に関して説明します。

エアコン暖房時には、エアコン内部で、最大60℃まで空気を加熱して放出しています。10℃の空気が60℃まで加熱された場合、ボイルシャルルの法則によると、体積が1.177倍に膨張します。ヘクトパスカルに換算すると、177ヘクトパスカルになります。つまり、177ヘクトパスカルの力で空気が膨張するわけです。
冷たい空気は重く、動きにくいので、暖められた空気だけが激しく移動し、様々な隙間から177ヘクトパスカルの力で、外へと逃げ出すと考えられます。
C値測定時は最大70のパワーで圧力をかけていますので、C値測定時の2.5倍の力で、暖気が外へとに逃げ出しているわけです。

エアコンの場合2.5倍

次に、石油ファンヒーターの場合は、温風吹き出し部分で120℃近くに達します。120℃に暖められた空気は、1.389倍に膨張。ヘクトパスカルに換算すると、389ヘクトパスカルの力になります。
C値測定時の5.5倍の力で、暖気が外へと逃げ出していると考えられます。

石油ファンヒーターの場合5.5倍

次に、対流型ストーブの場合です。天板は250℃にもなります。接触した空気は、一瞬で250℃になり、同時に1.848倍に体積が増加します。ヘクトパスカルに換算すると、848ヘクトパスカル!
C値測定時の12倍にもなる力で、暖気が外へと逃げ出す事になります。

対流型ストーブの場合12倍

暖められた空気だけが膨張し、冷たい空気を押しのけて、隙間から外へと出ていく。
対流型ストーブ、暖炉、薪ストーブなどで急激に膨張した空気が、隙間から漏れ出す。さらに、燃焼時に必要となる空気を、外部から補充。この時、外部の冷たい空気が隙間から室内に入り込む。冷たくて重い空気は、床面を覆いつくして、床面をキンキンに冷却。この無限ループが、「あり得ないほど寒い」理由に繋がると想定しています。

解決策はあるの?

では、隙間をゼロにしたら?と思いますよね。そうすると、暖かくなるのでしょうか?
隙間をゼロにしても人の出入りや24時間換気により、空気が入り込みます。真冬に入り込む空気は重く冷たいので、這うようにして床一面に広がり、床を外気同等温度までキンキンに冷やします。これが底冷えの主たる原因。

それならば24時間換気を止めれば、暖かくなるのでは?という考えも出てきます。
24時間換気を止めた場合、6畳の部屋に家族4人で寝ると、10時間ほどで酸欠。二酸化炭素濃度が上昇し、最悪死亡・・・と言われます。
さらにこの状態で、燃焼系暖房機器を使用すると、さらに短時間で室内環境が悪化します。
24時間換気は、人が生活する上で必要最低限の換気だという事をご理解ください。

熱交換型換気扇にすれば解決?と思いきや、一般家庭で使用する熱交換型換気扇は、費用対効果が得られないと判断しています。詳しくは別動画をご覧ください。

熱交換フィルターはコロナウィルスさえも通り抜けられないと言われます。室外から入り込む細かい粒子やウィルスをキャッチし、室内に入れません。しかし一方で、人が室内に持ち込む微粒子も室外に出られません。その量の方が、換気扇から入り込むより圧倒的に多いと言われます。
特にコロナウィルスなどは、人から発生します。そのウィルスは、熱交換フィルターを通り抜ける事が出来ず、永遠に室内にとどまる事になります。
さらに室内で発生したホコリ、カビなども、室外に放出される事はありません。交換するまで長い間熱交換フィルターに溜まり続け、湿気を帯びる事でカビが発生し、異臭を放ち始めます。

強力なモーターで空気を取り入れるので、飛び交う虫たちもフィルターに吸い込まれます。異臭はさらに悪化、室内の衣類にも臭いが沁み込み、外出時に悪臭を漂わせる結果にも繋がります。

じゃあ、一体どうすれば!?

結論、では、どうすればいいのでしょう?
Air断のように、吸排気経路を根底から考え直す必要があります。Air断は、対流型ストーブであっても、膨張する空気を逃すことなく、家全体に広げます。

暖かい空気を逃さず循環

通気層に送られた空気は小屋裏に運ばれ、通気層に送られて、再度基礎パッキン部分から床下に吸い込まれます。この時、6割の空気は循環、4割は新しい空気を取り込むように設計されています。そして床下から通気壁、1階天井を通り抜けて再度室内へと流れ込む。
暖まりにくいと言われる対流型ストーブ、暖炉、薪ストーブであっても、膨張する空気を上手にコントロールする事で、温まる暖房機器へ再生させます。

「結露の心配はないですか?」とよくご質問を受けます。

結露は、温度差がある風の無い場所で発生します。Air断は通気層に空気を送り込む事で、通気層をほんのり暖め、結露が発生しにくい環境を作ります。対流が発生する事で、結露抑止にもつながります。

寒冷地北海道で、対流型ストーブを使った実験を行いました。各部屋の温度、そして窓で発生する結露を観察しました。外気が0℃以下になっても、窓やサッシに一切結露は発生しませんでした。

さらに、17畳用対流型ストーブ1台でリビングも、脱衣場も、浴室も、階段も、廊下も、2階の部屋も、
ほぼ22℃~24度。通気壁の温度は、外気が0℃の時に、フロア付近が20℃、徐々に上昇、天井は23℃、
吸気口付近では26℃まで上昇して外気が入り込んでいました。

寒冷地でパネルヒーターが採用される理由

寒冷地北海道の暖房は、現在パネルヒーターが主流です。パネルヒーターは、外部のボイラーで温水を作り、室内のパネルヒーターに温水を送り込んで暖めます。トータル80万円ほどかかり、10年経過後には、ボイラーの交換で50万円ほどかかります。
パネルヒーターが壁を占領するので、間取りやデザインが制限されます。そして、夏は全く無用の長物。それでもパネルヒーターが選ばれる理由は、結露が発生しない事。
石油ファンヒーターなら、1か月400リットル以上消費すると言われる、北海道の住宅では、毎月400リットル同等の水蒸気が室内で発生していることになります。
これが原因で、大量の結露が発生。あらゆる部分にカビが発生。壁内部では、木部腐食が発生。家の耐震性、耐久性を奪います。
これらを防止するためにパネルヒーターが普及し始めたと言われます。

C値はあくまで目安のひとつ

しかし、対流型ストーブで家が暖まり結露が発生しないとなると、家づくりが大きく変わるのではないでしょうか?

もちろん対流型ストーブに関しては、1シーズン連続した実験を終えてから報告する予定ですが、すでにエアコン暖房で2シーズンを乗り越えた実績があるので、Air断が効果的な事はご理解いただけると思います。これらの理由から、C値が良ければ性能がいい!とは言えないと思っています。

特に対流型ストーブ、暖炉、薪ストーブの様な、自然対流型燃焼系暖房機器は、C値が想定する12倍以上の圧で、暖気が外へと逃げ出していると考えられます。C値はあくまでも目安と考える事が重要だと思います。

弊社の見解や憶測が、必ずしも正しいとは言い切れません。間違っている部分もあると思います。しかし、実験データをうまく説明出来る事を考えると、全ての見解や憶測が間違っているとは考えにくいと想定しています。

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