暖かい空気は上昇する?ウソ?ホント?

暖かい空気は上昇する? そうなのかエア断

空気は温まると上昇します。しかし無風状態では上昇していないのでは?今回は外壁通気層の中の空気が温まると上昇するのか?について考察。

「通気層には上昇気流が発生しています。特に夏の暑い時期は上昇気流が発生するので、換気扇の対流と干渉するのでは?」と質問がありましたのでお答えします。

我々も通気層に上昇気流が発生すると教えられていました。通気層で暖められた空気が上昇気流となって軒下や棟換気から抜け出していくと教えられていました。だとしたらどれくらいの風量が流れているのか?
実測したところ風の強い日以外、通気層に気流が発生する事はありませんでした。真夏の猛暑日にも上昇気流など全く発生していませんでした。

冷静に考えてみれば理解できます。通気層は外壁の内側に作られた層。そして太陽光で熱せられた外壁は、外壁表面が最も温度が上昇します。つまり外壁表面では上昇気流が発生しますが、通気層部分は温度が低く上昇気流など発生するわけはないのです。

誤った認識はどこから?

なぜ間違えたのか?

これは昔の家は気密性が低く、隙間風が通気層に入り込んで対流していたことが原因だと思います。
この隙間風による対流を上昇気流だと勘違いしていたと考えられます。

しかしこの隙間風は冷暖房の大敵。徹底的に隙間風をなくす努力が続けられ、次第に気密性が大幅に高められました。これが新たな結露という問題を引き起こす原因につながったと考えています。

結露は風がない時の暖気と冷気の境界線で発生します。気密性の高い家の通気層は無風状態が続く、結露にとっては最適な場所。そのため夏は冷房による冷気と暖気の境界線となり結露。冬は暖房による暖気と冷気の境界線となり結露。春秋は放射冷却により冷やされた外壁の境界線となり結露。(春秋の放射冷却による結露は立地条件により変わります)

年中結露

気密性を高めることで通気層が無風状態となり年中結露リスクにさらされることになりました。結露は条件さえ整えば、空気中の水分がなくなるまで発生します。そして空気中は他の動画で説明したように、無尽蔵とも言えるほど水分を含んでいます。

通気層で発生した水分は下地胴縁(どうぶち)を腐蝕。腐食した下地胴縁から結露水が内部に入り込み壁材、柱を腐蝕。腐食した柱は耐震性を失い、本来であれば耐えられる地震でも倒壊する危険性が高まります。震度6、5そしてさらに低い震度でも倒壊する可能性が出てきます。これが「通気層では上昇気流が発生している」と勘違いして建てた家の末路。

通気層に気流を作るAir断

通気層に上昇気流は発生していない。正しく理解し対策することが必要だと考えます。だからこそ必要に応じて通気層に風を送り込むことが効果的。

Air断では断熱効果を高めるために外気温度が一定以上、一定以下の時に所定の換気扇が稼働。
結露を抑えるために湿度が一定以上の時に所定の換気扇が稼働。
臭いを排出するために、一定時間帯で所定の換気扇が稼働。
ホコリを排出するために一定時間帯で所定の換気扇が稼働。
24時間換気対応のために一定時間で所定の換気扇が稼働。

自動で稼働する換気扇

様々な条件で家中の換気扇を動かし、家を長期的に守ります。通気層で上昇気流が発生している。全否定はしません。発生する時もあるかもしれません。ゼロとは言いません。しかし発生していないと考え対策することが重要だと思います。

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