防湿シートで壁体内の結露を防止する?

防湿シートで壁体内の結露を防止する? そうなのかエア断

建築で使われる防湿シートは、湿気を通しにくくしているだけで、通らないわけではありません。
断熱材が、熱を断つのではなく、熱の伝導を遅くしているのと同じです。

防湿シートの透湿性実験

防湿シートで完全密閉した温湿度センサーを使って実験してみました。
室内を加湿すると、みるみる内部湿度が上昇しました。
室内の温湿度センサーの方が早く上昇しますが、防湿シートで密閉した温度センサーも、負けじとグングン上昇します。4時間後には、どちらも同じ湿度まで上昇したのです。
つまり、防湿シートを使っても、4時間ほどで湿気が通り抜けるということです。

防湿シート実験
4時間でほぼ一緒の湿度に

住宅で起こっていること

一般的な高気密・高断熱住宅の場合、下図のように防湿シートが貼られます。
ということは、夏の湿気は外壁を通り抜け、合板を通り抜け、壁内部に侵入しているということになります。
湿度が高い夏季、外部の湿気が壁内に侵入し、壁内部の湿度が上がります。
一方で室内側では、エアコンによる冷気が壁の温度を下げます。
冷えた内壁に、壁内の湿気が接触すると?そうです、結露が発生するのです。

夏の壁体内結露
夏の湿度が起こす結露

恐ろしいことに、エアコンが動いてる間中、壁の中では結露が発生し続けます。

冬の状態を見てみます。

冬の壁体内結露
冬の壁体内結露

冬は外気の湿度が下がりますが、室内では湿度が発生します。
加湿器、暖房機器、お風呂、室内干し、料理、そして人が発する湿気など。
その湿気は防湿シートをすり抜けて、壁内部に移動するのです。
壁内部は、冷たい外気により温度が下がっています。
そこに室内の湿気が接触したら…ご想像の通り、結露が発生するのです。

壁体内結露の恐ろしさ

窓ガラスが結露している状態を思い浮かべてください。
あれと全く同じことが、壁内部で起きていると考えたら、怖いですよね。
これがいわゆる「壁体内結露」です。
この結露、面倒なことに、気密性の高い場所ですので、長期間乾燥する事なく壁内部に留まるのです。水分が長い間付着した木材には、「腐朽菌」が繁殖します。
水分が無くても、湿度が高まるだけで腐朽菌は繁殖します。
すると木材はふやけて柔らかくなり、最終的にボロボロに朽ちます。
木材の強度は極端に下がり、震度5にも耐えられないような耐震性の低い家になってしまいます。

壁体内結露は怖い
壁体内結露は怖い!

昔の家は気密性が悪く、隙間風だらけだったのが幸いして、壁内部に発生した結露がすぐに乾燥していたため、壁体内結露が発生しにくかったと言われています。
しかし、現在の家は、断熱性能、気密性能を極限にまで高めています。
皮肉なことに、これらの性能が壁体内結露を誘発し、耐震性すら低下させるリスクを高めます。

外気湿度と壁内湿度

こちらは、Air断ではない住宅の壁内部湿度グラフです。

Air断でない住宅の湿度推移
外気と共に壁内湿度も上昇

天井には400㎜セルロース。壁には230㎜セルロースとグラスウールをダブル施工。基礎断熱には100㎜スタイロフォームを使用した超高気密・高断熱住宅です。
外部湿度の上昇と同じように、壁内部湿度も推移しているのが分かります。
壁内結露を誘発し、発生した結露が木部を蝕みます。

こちらは、Air断住宅の壁内部湿度グラフです。

Air断住宅の湿度推移
壁内湿度が外気湿度の影響を受けていない

夏、最も湿度が上がる8月、外部は絶対湿度26g。
人は絶対湿度20gを超えると、自ら発した汗が乾きにくくなり、蒸し暑さを感じるようになるそうですが、絶対湿度26gともなると、その不快感が想像できますね。
そんなジメジメした暑さが続く季節でも、壁内部の絶対湿度はわずか11g以下。
これは4月上旬の湿度と同等です。この状態では、結露は発生することができません。
なぜかというと、夏季は、壁内部に侵入しようとする湿気が、別に設けた通気層の空気の対流に押し流されているからと推測しています。
冬は、室内で発生する湿気を、各部屋に設置してある換気扇がいち早く通気層へ排出し、壁内部に入り込まないようにしているのではないかと考えています。
これはあくまで推測ですが、Air断全てのモデルハウスで同様の結果が出ていることから、大きくズレてはいないと判断します。

壁体内結露しない工法

私たちは、断熱と気密にこだわり、防湿シートを張り巡らせた超高断熱・高気密住宅が、10年経たずに壁内部から朽ち果てたケースを何件も見てきました。
高気密高断熱だけでなく、壁内結露が発生しない工法が必要です。

現時点では、Air断だけが壁内結露を抑制する唯一の工法だと判断しています。
今後も、モデルハウスでの検証を進め、間違いがあったら訂正させていただきます。
また、新しい事実が判明しましたら、ご報告させていただきます。

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