愛知県今治市にある、有限会社藤田ハウスのモットーは「五感を育む住まいづくり」。
無垢材を使った安心の家づくりはもちろん、家具や建具の設計から施工まで、自社で一貫して行っていらっしゃいます。住む人のこだわりを、コストを抑えて実現してくれる工務店です。
取締役の藤田靖英さんにお話を伺いました。
本日はどうぞよろしくお願いします。
さて、藤田さんがこのお仕事をなさっているのは、どのような経緯からなのですか?
スタートは単純で、『2代目だったから』ですね。
学生の時はあまり目標がなくて、何をしたらいいんだろう?という方が強くて、特に家業を継ぐという感覚が無かったんですよ。
建築の学校で面白そうなところが大阪にあるというんで、大阪に行きたい気持ちが半分で行ったのがきっかけですね。建築のことが少しずつ分かってきた時に、家業に少し興味を持って。
大阪も好きでしたが、それまで関心がなかった地元に一度目を向けてみようと思って、現場監督やれたら、ぐらいの感覚で帰りました。実家は本当に町場の工務店だったんで、人の紹介で入ったのが、いい親方の居る大工工務店だったんですよ。
その親方ところで修行をしてる時に、元々大工を目指してたわけでは無かったので、挫折挫折の繰り返しで…。本当に何をやらせてもヘマしてばかり、って自分でレッテル貼ってたんです。周りがすごく腕のいい大工さんばかりで、劣等感の塊で。
たまたま、ある時「ちょっとこれやってみろ」と言われてやってみたことが上手くできて。実はちょっと失敗もしたんですけど、その失敗をカバーした方法が上手いって褒められまして。
自分にはものづくりが合ってないと思い込んでたものだから、褒められたら図に乗るんですよね(笑)。それで徐々に、面白いな、ものづくりって楽しいな、って。
今の仕事をずっと続けようというステップになりましたね。
大工さん修行からスタートなさったのですね。
家業を継がれたタイミングは?
大工修行を3年して、実は半分、逃げて帰った感じです。
棟梁が、腕が本当に良くて、愛媛県で1位になったような方だったんで、やっぱりすごく厳しくて、自分は劣等感をずっと持ってて、精神的に辛くて。
『一級建築士を取るから』と理由を付けて逃げ帰ったようなところはありました。でも、高レベルの人の中で修行させてもらったんで、腕が上がったんですよね。
家に帰った後は、ものづくりに自分の思いを入れることができて、親父が割と好き勝手にさせてくれたんで、あれやこれやとチャレンジしました。
当時はね、チャレンジするタイミングというか、チャンスや巡り合わせがたくさんあったんで、良かったですよね。今の人には無いと思います。
建築士にも挑戦なさったのですね。
建築士の資格は一発で取れました。前の親方を見返したい気持ちも、ちょっと残ってましたね。その時は勢いがあって、絶対通るっていうぐらいの自信を持ってましたね。
資格を取ったら、これまた自信になった一方で、ちょっと調子に乗りすぎて、鼻をへし折られるような場面も時々ありました(笑)。
けど、お客様から直接、喜びを伝えてもらえるというのが自営業のいいところで、それが自分の喜びに変わっていったことで、どんどん向上心というか、次はあれやろう、これやろう、って気持ちが芽生えました。
それから34年ほどになりますね。
一番印象に残っているお客様との出会いは?
大工修行時代、一番苦しかった時、最初に褒めてくれた人です。レストランの社長さんでした。
「藤田君頑張れよ」「これからは君らの時代や」心が折れそうになった時、モチベーションをくれた言葉ってのは、未だに心に染みついてます。
仕事の中で一番楽しいと思えるのは、どんな作業ですか?
ものづくりが好きですけど、実際の現場はそこに至るまで、お客様と折衝したり営業とかね、するわけです。その中で、お客様と直接お話して、「アッ!」って驚くような提案をして、それを作って、またお客様を驚かすことができた時が、やっぱり一番楽しいですよね。
話は変わりますが、ご趣味はなんですか?
木の端材を使ってモノを作る、っていうことを始めました。
時計とか、小物入れとかね。最近はファイルボックスを作ってみました。事務所のお客様から見えるところにある書類を、うまいこと隠せたらと思って。本当に簡単なものなんですけど。
それから、今考えてるのは、事務所に大き目のテーブルを置きたくて、なるべくコストを下げて作りたいんで、リーズナブルに使える材料を使って、試作的に作ってみたいと思ってます。
近々、知り合いの大工さんが手が余ってるというので、ちょっと手伝ってもらう予定です。仕事ぶりも見られるしね。
そういう端材を使った低コストな製品を展開して行きたいですね。
出来上がりが楽しみですね。
最後に、藤田さんが「これは俺の強みだ」と思うことはなんですか?
やっぱり、自分が作り手だったというのが大きくてね。
お客様のお話を聞きながら、その夢に僕も乗っかって、どういうことができるだろ?どういう形にできるだろう?って考える。それは自分が作り手だからこそ、できることだと思うんですよ。
夢を、思いを形にできる、というのがおそらく、他社には無い強みだと、勝手に思ってます。
楽しそうにインタビューにお答えくださる藤田さん。
お仕事も心から楽しみながら取り組まれているご様子が伺えました。どうもありがとうございました。
会社名 | 有限会社藤田ハウス一級建築士事務所 |
代表者 | 取締役 藤田 靖英 |
住所 | 愛媛県今治市衣干町2丁目2-35 |
電話 | 0898-33-0073 |
公式HP | https://fujita-house.co.jp/ |
対応エリア | 愛媛県今治市、松山市、東温市、新居浜市、西条市、四国中央市 |
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