今日は、強い家にしたらそれだけでいいのか?っていうお話です。
壁を強くして、あるいは床を強くして、耐震等級3を目指して、強い家に。私たちは構造計算しながら挑戦してます。
ただ、ここで一つ疑問が出てきます。固くすりゃあ、家は潰れないんですかね?

固い=揺れやすい!
地震に強くするために、建築基準法上の最低限の、耐震等級1から、それの1.25倍の強さの耐震等級2、
さらに1.5倍強い耐震等級3。これを目指しておりますが、こうすると、確かに壊れにくいんです。箱を強くしたら、潰れにくいですよね。だけど、固さを高めただけで壊れなくなるか、というと、別の問題が生じてきます。

実は、地震の波というのは、短い時間に大きな振動が襲ってきます。この、ほんの短い期間に大きな振動が伝わってくると、実は、固いほど揺れやすいんです。
固い家っていうのは、短い周期の地震波に影響を受けやすい。
固い家ほど、短期間に大きく揺れるということが起こりやすい。
ということも分かってきてます。

揺れを減衰する装置
ここで、家を固くするほど必要なのが、『制振装置』と言われる装置です。
これは何するかというと、いろんな言い方ありますが、通常ダンパーという言い方をしてまして、曲がったら元へ戻そう、曲がりをある程度のところで止める、ということをやってくれる装置です。
ダンパーをつけることによって、固い家でも曲がりが少ない。固いから曲がりが少ない、というだけじゃなくて、固いほど強烈な地震波を短時間で受けやすいものですから、それを力を弱める減衰装置という役目です。

ダンパーの制震実験動画はコチラから見られます。
ダンパーがあれば安心?
さて果たして、このダンパーは確かに、付けることによって、短期的な大きな地震力を減らしてくれる、という力があるんですが、付けたらいいもんだ、というものではないんですね。
やはり構造計算書と呼ばれる計算をした上で、最適なバランス。どこにどんだけ付けるか?
無料ではありません。やはりお金がかかりますので、むやみやたらに数多く付けるというわけではなくて、しかもどのメーカーでも同じ性能があるわけではありません。メーカーをしっかり見定めて、どこにどう付けたらいいかということを、構造計算に基づいて考えるということが大事です。
今日のお話は制振ダンパーの話。固いだけじゃダメなんですよ、ということをお伝えいたしました。
最後までありがとうございました
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