今回のテーマは、制震と免震、そして耐震。それぞれの違いについてご説明します。
耐震とは?
まず初めに、耐震とは、大きな地震の揺れる力に耐えるために、建物を堅く強くするということです。
自動車で申し上げますと、フレームと言われる構造体、それから、それ全体を囲むモノコックボディ。ボディそのものを強くするのが耐震です。
制震とは?
制震とは、地面の揺れる力を削いで小さくすること。強い躯体を作った耐震建物を揺れを小さくすることで元に戻すというやり方です。
普通は、金属でバネのようになっていたり、そのバネの中に油が入っていたりして元へ戻すような働きをするのが制震です。ゴム製の製品もあります。それから、粘着テープのようなもので対応している商品もあります。揺れを小さくする、元へ戻そう、という考え方になります。
制震装置は様々な種類がありますが、一般的には写真にあるように、斜めに金属製をつけることが多いです。
車で言いますと、制震とは、ショックアブソーバーみたいな形で、舗装の悪い道路を走る時に、その揺れを運転手・同乗者に感じさせないようショックを吸収するようなものをイメージして頂くとわかりやすいかと思います。
免震とは?
最後に免震とは?
これはもっと大掛かりなもので、地震が起きても、建物に全く影響を及ぼさないくらいの考えが免震といえるでしょう。
これはビル建築に多く使われるケースです。写真にありますように、地面と基礎との間に地震力を躯体に及ぼさないように免震と言われる装置を作ります。これをつけることで、下部の揺れを吸収し上部に揺れを伝えなくするのが免震装置です。
この装置の設置は、新築の時は施工しやすいのですが、リノベーションでは難しい方法となります。
一旦、建物を持ち上げて基礎と土台の間にこの免震装置を入れる必要があり、メーカーさんによっては、空気の力で免震するというやり方をとってらっしゃるところもありますが、それも同じく大がかりな工事になります。
最適な地震対策
耐震・制震・免震を考えながら、地震に強いリノベーションを考えるとき、
結論としましては、
まず壁や床を補強して強い構造にするということからスタートします。
その時に、どんな壁の材料が補強するためにいいのか?その中でも、粘り強いのは何だろう?それを、賢く配置します。
そして、そのつけた壁や床を補強するときに、釘やビス、ボルトなどで補強していきますが、その際もどんな金物がいいのか?築30年40年の家は、弱い場合が多いのでどのように基礎補強したらいいのか?それもなるべくお金かからなくて、理想的な基礎は何だろう?と検討します。
それらを合わせて、構造計算で確かめてみる、ということが、まず1つの仕事です。
これは、家を強くする、繰り返す地震にも強くなる耐震等級3がこれで確保できるかどうか、というチェックをします。そしてその次に、さらに制震装置の設置を合わせて検討していきます。
耐震等級3。地震に強い家づくり。
安心して住み続けられるリノベーションのひとつの柱でございます。
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